JA上伊那管内で、ナンテンの出荷が始まった。中川村などの南部地区を中心に生産者20戸が栽培。裏年の今年は、12月15日から受け入れを開始し、29日までに関西の市場へ、約400ケースを出荷する見込み。
ナンテンは「難を転ずる」の語呂合わせで縁起物として人気が高く、正月飾りなどに使われる。農薬や肥料散布などがほぼ必要なく、栽培に労力がかからないことや、中山間地でも傾斜を生かした栽培ができるなどの利点がある。JAでは、枝付き(1ケース20~30本入り)と実だけ(1ケース5キロ)の規格で出荷している。
今年は10月下旬ごろまで気温の高い日が続いたことで、着色不良や日焼けによる出荷量の減少が心配されたものの、11月からの厳しい冷え込みにより品質は回復傾向だ。
収穫時期を迎えた同村の宮木由博さん(76)のところでは連日、収穫・出荷の作業が行われている。定年を機に、遊休農地だった15アールを使ってナンテンの栽培をはじめ、日量平均で25ケースを出荷する。
16日には、1本ずつ長さを確認しながら収穫し、規格ごとに箱詰めして出荷した。宮木さんは「始めは実が赤くなるか心配したが、良い色になり安心した。ナンテンを飾り、良い正月を迎えてほしい」と話した。