JA信州諏訪と同JAの子会社あぐりクリエイト信州諏訪は11月22日、富士見町のJA会館ふじみで2024年が開園初年の「JA農園」利用者懇談会を開いた。利用者・役職員20人が出席。皆で1年間の感謝を伝え合い、利用者からは農作業体験への充実感・達成感に満ちた意見が多数寄せられた。JA事務局は、農業への理解者増加、農地の新たな担い手確保に向けた手ごたえを掴んでいる。
この取組みは、JA次世代リーダー育成研修に参加している中堅職員3人が事務局となり、企画した新規事業。農業者の高齢化が進む中で「諏訪地域の農地を守るために新たな担い手が必要」という思いからだ。管内在住者10人に4月末から11月末まで、土づくり済みの農地(0.7アール)を参加費1万円で貸し出した。
事務局は、利用者の要望に都度応えながら農園を運営。5月には植え付け相談会を開催し、草捨て場を設置した。8月下旬には各作物の生育が進み、9月中旬には収穫最盛期を迎えた。11月の秋まき野菜の収穫も順調だった。
懇談会で、利用者からは「とても良い土で、おいしい野菜がたくさん収穫できた。次年度もぜひ利用したい」「利用者同士でも仲が深まり、野菜のおすそわけをし合ったことも思い出」「職員が丁寧に栽培方法を教えてくれ、感謝している」「農業の楽しさ・大変さが実感できた」などの意見があがった。
今後の要望として、農地の面積は「広すぎる」「狭すぎる」の両意見があったため検討していく。マルチの回収や水場の設置、農機レンタルの希望などもあった。事務局で話し合い、次年度のより良い運営の参考にしていく。
JAからは組合員加入の案内やJA利用者専用WEBサイト「組合員Myページ」の利用方法を紹介。利用者への感謝を込めて、全員に長ネギとユーカリを贈った。
JAの小林昇経済事業本部常務理事は「『JA農園』は事務局の職員が、農地を借りるという高いハードルをクリアして実現したJA初の事業で、初年度が無事閉園できた。利用者の方には安全・安心な農産物を一生懸命に作っていただき、大変素晴らしかった」と感謝を伝えた。
事務局の茅野市営農センター湯田坂和臣所長代理は「利用者に喜んでもらえてうれしく思う。次年度も皆さんの声を聴きながら『JA農園』を運営していく」と話した。