JAみなみ信州は25日、豊丘村の同JA総合集荷販売センターで特産「市田柿」の出荷を始めた。昨年より1日遅いスタート。10月23日頃から収穫・加工作業が始まり、非常に厳しい加工環境の中、各地で指導会を開くなどして生産者とJAが一丸となって高品質な市田柿生産を行っている。生産者の丁寧な作業により今年も甘くおいしい市田柿が出来上がった。この日は220箱(1箱5.1kg)を集荷し、検査員が格付けと検品作業を行い東京、名古屋、大阪の市場へ出荷した。
今年は開花期以降、収穫が始まるまで平年を上回る気候で推移し、8月下旬以降にまとまった降雨があったことで肥大が進み大玉傾向となった。加工時期では高温高湿の中、乾燥が遅れ生産者は温湿度管理に非常に苦慮したが、ここにきて冷え込みが強まり乾燥も進んでいる。ロスが発生しているものの大玉傾向により重量が確保できていることから、今年度の出荷量は昨年を上回る1,134トン(前年比103%)を見込んでいる。出荷ピークは12月下旬~1月上旬と例年より遅く、年内出荷比率が54%と近年では最も少なくなる見込み。年末が市田柿の最需要期であること、年明けから行う輸出の主な出荷先である中華圏の春節が1月29日と例年より早いこともあり、同JAでは1月中旬頃までに出荷するよう生産者に呼び掛け、集荷対策を強化している。
同JA営農部果実柿課の米山直樹係長は「難しい加工環境の中、生産者の皆さんはロスを最小限におさえ高品質な市田柿栽培に向け丁寧な作業を続けている。生産者の皆さんと一緒になって最後のひとつまでしっかりと加工し出荷していく」と話した。
営農部販売課の伊藤謙三主任は「出荷時期が遅れる見込みだが市場との連携を密にして年末年始、年明けへ向けた売り込みを強化して生産者の手取りをしっかりと確保していく」と話した。
今後出荷が本格化し、12月上旬から2月末まで全国で市田柿が販売される予定。