特産「市田柿」収穫・加工作業最盛期

JAみなみ信州
つるしあがった「市田柿」
つるしあがった「市田柿」

JAみなみ信州管内では特産「市田柿」の収穫・加工作業が最盛期を迎えている。10月23日頃から収穫作業が始まり、同JA柿部会員1,787人によって収穫、皮むき、吊るしなど各地で一斉に活気ある作業が行われている。干しあがり製品となった市田柿は11月22日に受け入れを開始し、12月上旬には全国の売り場に並ぶ予定。厳しい加工環境の中、生産者の丁寧な管理作業により今年ももっちりとしたおいしい市田柿が出来上がることが期待される。
今年は春先の低温、梅雨明け以降の高温干ばつなどにより原料柿の着果量はやや減少傾向。着色が遅れているものの、定期的な降雨と高温で大玉傾向となっており、果実の色や大きさを確認しながら丁寧な収穫作業を行っている。果肉がやわらかく不安定な天候が続いていることから、同JAではこまめな加工作業や干場の温湿度管理の徹底を呼び掛けている。今年度同JAでは1,100トン(前年比100%)販売金額約26億5,000億円(前年比約101%)の市田柿の出荷を予定している。台湾を中心とした海外輸出は110トン(前年比110%)を目標に、タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナムで取得した海外GIも活用し、さらに欧州への販路拡大も目指す。
5日、飯田市の松澤正芳さん(65)のお宅では妻と従業員8人で収穫・加工作業を行った。50アールの園地で市田柿を栽培するほか、原料柿を買い取り加工もする松澤さんは、例年およそ7トンの市田柿を出荷している。「今年も張り切って作業を進め、最後の1個まであきらめず全量加工していきたい。また来年も食べたいと思ってもらえるようなおいしい市田柿をつくりたい」と意気込んだ。また同JA柿部会部会長も務める松澤さんは「生産者それぞれが高い意識をもって品質を揃え良いものをつくり、市田柿のブランドを守っていきたい」と話した。
市田柿活性化推進協議会では同JA管内の保育園・小中学校を対象にした食育事業も行う。同JA「市田柿」とJAふくしま未来「伊達のあんぽ柿」とコラボするなどPR事業にも力を入れ、市田柿の若年層への消費拡大も強化していく。

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