JAみなみ信州山本支部は15日、部員2人が参加し飯田市山本小学校5年生35人と稲刈りを行った。部員の中には同校の卒業生もいて、花きや畜産を生産する農業者となっている。自分たちが育った地域の子供たちに農業の楽しさを伝えたいと毎年米づくりを指導しており、今年で13年目。同JAも作業に協力し地域で米づくりを支えている。
この日は同JA営農部農産課の清水明寿技術員が鎌の持ち方や稲の持ち方、刈り方を指導した。児童は班ごとに分かれて決められた範囲を順番に鎌で刈り、刈る人、受け取る人、束ねる人を分担。同部員は束の太さや縛る位置を確認したり一緒に束をつくったりして児童の作業をサポートし、皆で協力して作業を進めた。刈り終わった田んぼで「これも大事なお米だ」とみんなで落穂を拾い、一つの束にする姿もあった。稲刈りのあとは児童が稲の束を運び同部員らに渡してみんなではざを完成させた。
稲刈りを体験した吉澤璃莉亜さん(11)は「どの作業も大変で、収穫までにこんなに時間がかかるとは思わなかった。今までご飯を残してしまうことがあったけれど、これからは残さず大事に食べたいと思った」と話した。
同支部の市村寛支部長は「今年は猛暑で生育が心配だったが、子どもたちが日頃の管理をしかっりしてくれたことで豊作となった。一連の作業を通じて、“つくること”の大変さを感じてもらい、食べることへの感謝の気持ちや食品ロスなどについても考えるきっかけとなったらうれしい」と話した。