JAみなみ信州では白ねぎ「土付きねぎ」の今シーズンの出荷が始まった。「白ねぎ」は同JA秋冬野菜の主要品目にもなっており、中でも白ねぎ出荷の9割以上を占める「土付きねぎ」は土がついたまま包装することで鮮度を保ちながら消費者へ届けるインパクトのあるブランド商品。生産者が専用パッケージで1束ずつ丁寧に荷造りする。試験を繰り返して品種を選定するなど、200人を超える生産者によっておいしさにこだわった活発な生産が行われている。
今年度は定植後の生育は順調だったものの、梅雨明け以降の高温干ばつにより病気の発生が見られ細物傾向となっている。同JAではロスを最小限に抑え品質を維持するよう指導している。一方で全国的にねぎに対する需要は高く、地方によって細物が好まれる傾向があることからこれまで4本入りだった規格を4~5本入りとするなど、出荷規格を柔軟に変更し生産者の手取り向上に取り組んでいる。量販店との値決め販売により安定的な収入と売り場を確保し、試食宣伝も積極的に行い産地のPRを強化する。今年度白ねぎ取扱量650トン、(前年比約63%)取扱金額1億7,000万円(前年比約70%)を見込み、10月4日に始まった「土付きねぎ」についても出荷ピークを12月中下旬に100万束(1束600g)を関西・中京方面をメインに中四国まで出荷していく。
同JA営農部農産課ねぎチーフの坂戸孝次技術員は「厳しい栽培環境の中、生産者の皆さんは春の土づくりから長期間にわたり大変苦労しながら良いものをつくろうと生産に励んでいます。消費者の皆さんに安心して食べてもらえるよう、しっかりとほ場を回り、生産者の皆さんと一緒になってこだわりのねぎを生産していきます」と話した。
同JAでは秋冬期の安定的な収入の確保として、また遊休農地やJA施設の有効活用ができ、省力的で初期費用負担が少ない白ねぎ栽培に着目し“こだわりのねぎ”の産地づくりに取り組んでいる。