JAあづみは11日、松本市梓川のJA果実南部選果所で長野生まれの黄金色リンゴ「シナノゴールド」を初選果した。選果した約600ケース(1ケース=10キロ)を12日、首都圏や関西、県内市場に初出荷した。
2024年産は、春先の凍霜害や台風などの気象被害がなく、肥大も順調で昨年より一回りほど大きく実った。ここ数年は糖度が高く、甘味の中にも酸味を感じることができる食味で仕上がりは上々。24年産は2万330ケース(1ケース=10キロ)の出荷を見込んでいる。
今後、サンふじの贈答用セット販売等も含め10月中旬から長期的に市場で販売する。中生種の中では最も日持ちする品種で需要期が異なることから、市場の声を聞いた柔軟な出荷対応で、高単価販売を狙う。
「シナノゴールド」は、名前の通り黄色の品種で、「ゴールデンデリシャス」と「千秋」の交配品種で1999年に品種登録された。サクサクと引き締まった食感で甘味と酸味のバランスがよく、果汁が多いのが特徴。貯蔵性に優れており長期保存が可能。ジュースやアップルパイなどの加工にも適している。
選果前に開いた目ぞろい会では、営農経済事業部果実課の小林鷹文営農指導員が約40人の選果員に等級や選果規格を説明。選果所では、選果スタッフが裂傷やスレなどを丁寧に確認し、選果機に流した。センサーで熟度や大きさを判定し、3等級に分けて箱詰めした。
JA果実課の小林鷹文営農指導員は「適正な選果と計画的な出荷で、農家の手取り確保に努めたい」と力を込めた。