JA松本ハイランド根菜部会ナガイモ専門部は10月9日、収穫期が近づくナガイモの試し掘りを行った。生育の途中経過を見ることで市場との販売戦略をたて、規格見直しの検討材料にすることを目的としている。今年は、春の集中豪雨により植穴が陥没する被害があった、その後も集中豪雨は数回あったが、排水対策を実施したことで、被害を最小限に抑えることが出来ている。また、晴天の日が多かったことで、葉の茂りもよく病害虫の被害も抑えられ地上部は順調な生育となっている。
この日は、部会役員らのほ場で掘り取ったナガイモを同JA職員や長野県農業農村支援センターの担当技師らが1本ずつ重量や長さ、形状など生育状況を調査した。また、すりおろしや拍子木切りにし、糖度やアクの抜け具合など味わいを確かめた。調査確認の結果、十分なサイズと良好な形状、アクの抜け具合も順調で、今後の低温により紅葉がすすめば、上々の仕上がりになることが期待されることが分かった。同専門部では、毎年この時期に地域のブランドを守り品質を統一するため、役員会において掘り取り解禁日を決定している。役員会では、全8地区の試し掘りナガイモを持ち寄り、今回同様の調査を行い、役員が慎重に議論した上で、掘り取り解禁日を決定している。また、調査内容に基づいた販売戦略を立て販売先業者との交渉により、販売単価を積み上げ生産者所得の向上を目指す。
同JA産のナガイモは肥沃で水はけのよい火山灰土で栽培され、粘り、コク、甘みの三拍子がそろっており、根強いファンや健康を気遣う方への年末の贈答品としても人気を集めている。令和6年度産は、主に直売所、県内のスーパーなどでの販売を行い、秋掘り、春掘りあわせて18万ケース(1ケース10キロ)の集荷販売を計画する。