発酵粗飼料(WCS)用稲刈取り 牛の飼料に活用

JAみなみ信州
専用機によるWCSの刈取り作業
専用機によるWCSの刈取り作業

JAみなみ信州とグループ会社の(株)夢ファームみなみ信州は発酵粗飼料(WCS)用稲の刈取り作業を進めている。16日には飯田市座光寺の圃場で作業を行った。同JAでは生産資材や飼料が高騰する中、繁殖和牛農家を中心に牛の飼料として活用しており、地域循環型農業、環境に優しい農業に取り組んでいる。
今年度は同JA管内で21軒、合計1,035アールでWCS用稲専用品種「たちあやか」を栽培。10月7日から始まった刈取り作業は10月末頃まで行い、300トン(1,000ロール・1ロール300kg)の収量を見込んでいる。専用コンバインで稲を刈取り乳酸菌を混ぜて稲を円筒型にまとめ吐き出す。続いて専用梱包機で稲をビニールで梱包し次々と白いロール(1ロール=300~350㎏)をつくり田んぼに並べた。このあと約2ケ月程発酵させ飼料となる。
生産者の山田勝一さん(80・飯田市)は「米づくりよりも費用や労力を抑えながら田んぼを活用できる良い取り組み。補助もあり3年前から始めた。地域の中でうまく資源が循環していくことを期待している」と話した。
同JAでは5年前(2019年)から飯田市上郷地域を中心に水田を活用したWCS用稲の栽培を呼びかけ普及してきた。地域でまとめて栽培し刈取りを行い費用削減、省力化を図り作業を行っている。生産農家が定着したものの、生産にばらつきがあること、需要が安定しないことが課題となっている。同JA営農部農産課の山上正俊課長は「農家やJA、地域が連携して取り組むことで有休荒廃地や地域の資源の有効活用、畜産農家の経費負担軽減など様々な効果が期待できる。出来上がった飼料の効率的な供給や活用についても引き続き検討をすすめていく」と話した。

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