諏訪地域の菊愛好会でつくるJA信州諏訪健香会の奥山幸茂会長(85)は10月21日、10月30日~11月18日の「第41回諏訪大社上社奉献菊花展」に出品する菊の最終調整を進めている。専用ハウス内で栽培した大菊やドーム菊を25~30鉢出品する計画。菊が〝秋〟を感じ、開催に合わせて開花できるよう一鉢一鉢大切に育て上げている。
奥山会長は退職を機に20年前、地元諏訪市で開かれた講習会に参加したことがきっかけで菊づくりを開始。同会には10年前に入会した。ベテラン会員からのアドバイスや作場見学などを通して、栽培管理を学んできた。
2024年は、3本仕立ての盆養菊、多数の花弁が中心に向かってこんもりと盛り上がった厚物、花芯から直線的な管弁が放射線状に伸びている管物、丈の低いダルマ菊、小菊を丸くドーム状に仕立てるドーム菊など多数を50鉢ほど栽培。天候の影響で、例年より生育が10日ほど遅れているため、開花できるよう太陽光を当てるようにしているという。
同展審査会では、最高賞の「競技花の部」最優秀賞を8年連続受賞。高品質な菊作りの秘訣は「毎日菊を見てあげること」。朝と夕、ハウスへ足を運んで管理し、時には3~4時間滞在することもあるそうだ。
今年は初日の30日に審査会を行い、11月2日に表彰式を行う計画。10月中、職員が老朽化した菊舎を大規模修繕し、会員・JA一丸となって開催に向け準備を進めている。
「職員には苦労をかけたが、まもなく菊舎を設置でき、菊花展が始まる。多くの人に菊を見て明るい気持ちになってもらえればうれしい」(奥山会長)と期待を込める。
同会の歴史は古く、諏訪大社上社への菊花奉献は41回を迎える。近年は高齢化で会員数が減少。一時は5人まで減ったが2023年、存続に向け会員募集に尽力したところ、2年連続で新規入会の申し出があり、今年は12人で活動している。奥山会長は、新会員が栽培する菊を一つずつ確認してアドバイスする栽培講習会を定期的に開催。また同展審査会では新会員を対象にした部門を追加するなど、会全体でのスキルアップを目指している。
「新会員は皆熱心で期待が大きい。今後も会の発展に向けできる限り力を注ぎたい」と話している。