地域の子どもたちの体験学習に 赤砂果樹研究会が栽培管理「アルプス乙女りんご」収穫始まる

JA信州諏訪
子どもたちの収穫作業を見守りながら、「アルプス乙女りんご」を収穫する赤砂果樹研究会のメンバー(両端)
子どもたちの収穫作業を見守りながら、「アルプス乙女りんご」を収穫する赤砂果樹研究会のメンバー(両端)

下諏訪町の果樹生産者でつくる「赤砂果樹研究会」が、地域の子どもたちのために同町のほ場で栽培管理するミニリンゴ「アルプス乙女りんご」の収穫が始まった。2024年は、災害等の影響を受けず、品質の良いリンゴに仕上がっている。10月15日は、下諏訪南小学校3年生の児童約85人がほ場を訪れ、作業を体験した。
同ほ場は、1978年に同町で開催した「やまびこ国体」を記念してリンゴを植樹したもの。同研究会が長年にわたり栽培に携わっている。「子どもたちが収穫しやすいように」と、下枝を残して管理しているのが特徴だ。毎年、同町の小学生や保育園生が春の花摘み、秋の収穫に訪れている。収穫後は全て子どもたちを中心にふるまわれている。
今年は、「アルプス乙女りんご」約20本と「シナノプッチ」約40本を栽培。10月中旬現在、「シナノプッチ」の収穫が終了し、「アルプス乙女りんご」の収穫が最盛期を迎えている。
同研究会の花岡正彦会長によると、今年は病害虫の発生があったものの、春の凍霜害や夏の台風被害などがなく、糖度のあるリンゴに仕上がった。近日の朝晩の寒さで着色も進み、「子どもたちに喜んでもらえる出来栄えになった」という。
同校の体験学習では、研究会メンバー4人、県諏訪農業農村支援センター、同町関係者6人が出席した。担当者が、リンゴを収穫する際は手で枝を支え、もう一方の手で丁寧に収穫するように説明。児童は手の届く範囲から収穫を始め、慣れてくるとコンテナの上にのぼって高所にあるリンゴに手を伸ばす姿もあった。1時間ほど収穫でき、1人4個ずつお土産として持って帰った。残りは、同校と下諏訪北小学校の児童に届けられる計画だ。
3年2組の女の子(9)は「とても楽しく、教わった通りに収穫できてよかった。食べるのが楽しみ」と笑顔を浮かべた。
花岡会長は「リンゴや樹を傷めないように丁寧に収穫してもらえてよかった。体験を通して、収穫の秋を迎えるまでにはさまざまな作業があることを知ってもらえればうれしい」と期待を寄せた。

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