安曇野市やJAあづみ、JR東日本は9月20日から2日間、東京都新宿区のJR新宿駅ミライナタワー改札外で、朝採れ農産物を販売する「安曇野市×あずさマルシェinLUMINEAGRIMARCHE」を開催した。JR東日本グループが展開している荷物輸送サービス「はこビュン」を活用。店頭に並んだ農産物は、両日とも終了予定時刻よりも前に完売するなど大盛況だった。
マルシェは、安曇野産の農産物の美味しさをPRし、農業者の所得増大に繋げるとともに観光地・移住地としての魅力を発信するため同市が企画した。特急あずさ号の速達性や定時性を生かし、特急あずさ号沿線地域の魅力ある食材や地域品などを首都圏の消費者へ提供できる。JAは農産物の販路拡大や消費宣伝を狙い、JRは首都圏の利用者に付加価値の高い特産品を提供する場を設けることで、将来的に旅行客の増加につながるなどそれぞれメリットがある。3者が協力する取り組みで、3年目を迎えた。株式会社ルミネが取り組む農業プロジェクト「ルミネアグリプロジェクト」などとも連携し、安曇野産農産物を販売した。
期間中は、朝4時に収穫したスイートコーンをはじめ、リンゴやブドウを特急あずさ号で運んだ。初日の20日には、太田寛市長と宮澤清代表理事組合長が店頭に立ち新鮮な農産物を対面で売り込んだ。
2日間でスイートコーン1440本、ブドウ110房、リンゴ215玉、新米170キロが全て完売。期間中の売上高は68万円、レジ通過者は628人と大盛況だった。
同JA青壮年部や地元企業などがブースを構えた特産品売場では、夏秋イチゴの新品種「あまあづみ」や桃、梨のほか、クラフトビールや市内の高校生が考案した「カステラ」などが並び、作り手が直接消費者に売り込んだ。複数のブースで買い物をするとプレゼントが当たる抽選会やスタンプラリーなども実施された。
同市農林部農政課の担当者は「大都市の消費者に農産物をはじめ、市の魅力を十分にPRできた。将来的に観光誘致や移住に繋げていきたい」と意気込んだ。
営農経済事業部販売開発課の塩原卓磨さんは「農産物の鮮度や値ごろ感から完売となった。特に、米不足が騒がれている新米は十分なPRが出来た。これを機に、首都圏の消費者への販路を拡大していきたい」と強調した。