リンゴ「シナノスイート」出番 10万5000ケース出荷予定

JAあづみ
傷等を確認し選果機に流すスタッフ
傷等を確認し選果機に流すスタッフ

県内有数のリンゴ産地JAあづみ管内で2日、リンゴ中生種の主力「シナノスイート」の出荷が始まった。出荷時期は平年並み。
JA営農経済事業部果実課によると春先の凍霜害が影響もなく、ここ数年では一番の豊作だという。9月の平均気温が平年よりも3度ほど高かったことから若干着色が遅れているものの、糖度が乗り食味は抜群だ。
安曇野市三郷温の果実中央選果所では、選果スタッフ21人が果実のキズや日焼けなどを目視で確認。選果機のセンサーで熟度や糖度、大きさを判定し、4等級に分けて箱詰めした。この日、初選果した約1,000ケース(1ケース=10kg)を首都圏や関西、県内市場に出荷した。
2024年産は、前年対比約2万ケース増となる10万5000ケース(1ケース=10kg)の出荷を予定している。出荷ピークは10月中旬頃で、10月下旬頃まで続く。「秋映」や「シナノゴールド」、「ぐんま名月」など中生種合計では21万1017ケース(同)の出荷を見込む。10月末頃からは晩生種の主力「サンふじ」の出荷が始まる。
「シナノスイート」は、県果樹試験場が早生種「つがる」と晩生種「ふじ」を掛け合わせた育成品種で1993年に開発されたオリジナル品種。糖度が高く酸味が少ないのが特徴で、果汁が多く甘味もあるため幅広い年代の消費者に喜ばれ、市場からの引き合いも強い。
こうした市場ニーズを背景に同JAでは、22年度から新たに糖度選別を導入。「優」以上の等級は、糖度14度以上として出荷する。県内JAでは数少ない取り組みで、市場関係者には徐々に定着していることから、販売力向上と食味遡及に一役買っている。
営農経済事業部果実課の三澤祥係長は「甘くてとても綺麗な仕上がり。世代を問わず多くの消費者に召し上がっていただきたい」と話した。

MENU