新品種「南農ナシ6号」現地試食検討会 新品種で地域活性化へ

JA上伊那
南農ナシ6号を試食する参加者
南農ナシ6号を試食する参加者

JA上伊那果樹部会梨専門部は9月17日、宮田村の園地で新品種「南農ナシ6号(天空のしずく=品種登録出願名)」の現地試食検討会を開いた。果樹生産者や市場担当者、JA全農長野やJA上伊那の職員ら40人が参加。今年から収穫が始まった園地で品種の特徴など説明を聞き、実際に果実を試食して食味を確かめた。
長野県のオリジナル品種である同品種は、黒斑病や黒星病に強く、無袋栽培が可能。糖度が高く酸味もあるため食味がよく、シャキシャキとした食感と果汁の多さが特徴だ。肥大の良い品種で、収穫時期は9月上・中旬。「豊水」から「南水」の間に収穫することができるためリレー出荷に期待が高まる。
この日は、同専門部員のほかにも、管内のリンゴ生産者も参加。接ぎ木してから4年が経過した園地を見学し、生育過程や食味に対して幅広い視点から意見を寄せた。試食では、高森町にある長野県南信農業試験場で採れた果実と、同園で採れた熟度の違う果実2つが用意され、それぞれの食味や食感を確かめながら市場担当者らと収穫時期を検討した。
園主の伊藤拓也さん(36)は「今までパートを雇って作業していた袋掛けをせずに栽培できるため、他の品種に比べて手間やコストが削減できる。県のオリジナル品種として知名度が上がることで、南農ナシ6号を作りたいから就農する人が増えてほしい。これからも積極的に試験栽培に協力し、地域が盛り上がるきっかけを作っていきたい」と話した。
この日は試食検討会のほか、同園が取り入れている作業効率や反収の増加が見込まれる梨の栽培「ジョイントV字トレリス樹形」についても説明され、参加した生産者は特徴や注意点を確認しながら、情報を共有した。

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