規格外のリンゴ、マルメロでつくる「シモスワシードル」2023年ヴィンテージ発売

JA信州諏訪
発売した「シモスワシードル」を手にする松澤さん(左)と岩井さん
発売した「シモスワシードル」を手にする松澤さん(左)と岩井さん

下諏訪町でリンゴやマルメロを栽培する松沢農園と「湯田坂 岩井堂酒店」が共同で造る「シモスワシードル」2023年ヴィンテージが9月中旬、完成した。「紅玉」100%の「シモスワシードル2023」と、「ふじ」の果汁にマルメロを漬け込んだ「シモスワシードルwithマルメロ2023」の2種類(ともに1本750ml入り)があり、同店や地元飲食店などで販売。今年の味わいを楽しみにする多くの人々に届けられる。
同農園は江戸時代から続き、松澤邦江さん(65)が8代目。現在、夫の泰秋さんとリンゴ10品種30アール、マルメロ15アールで栽培している。
シードルづくりは今年で3年目。2021年に春の凍霜害や夏の雨でサビ果、病害虫が発生し、規格外のリンゴが多く出てしまった。知人を通して知り合った同店代表の岩井穂純さん(46)がシードル造りを提案し、連携が実現した。
「シモスワシードル2023」は、「紅玉」2023年度生産分200キロを提供。伊那市の醸造所で委託醸造した。紅玉の豊かな香りとスッキリとした酸味、キレのある味わい。リンゴ本来の味を楽しめる。
「シモスワシードルwithマルメロ2023」は、「ふじ」同300キロ、マルメロ同6キロを提供。東御市の醸造所の協力のもと岩井さんが初めて、仲間とともにリンゴを絞り、タンクに詰めるまでの作業などに携わった。一部は素焼きの壺に漬け込むワインの原始的な造り方にも挑戦。自然発酵させ、不確定要素やワクワク感を楽しめる複雑な味わいを追求した。「ふじ」の旨味、マルメロのフルーティーな香りが感じられる。
松澤さんは「規格外リンゴの活用で循環型農業ができ、農家としては大変嬉しい取組み。私自身もこれから飲むので、どんな味か楽しみ」と話している。
岩井さんは「シモスワシードルを一口飲めば、農園にほど近い諏訪湖の景色が浮かんでくる。飲んでぜひ下諏訪町に来てもらいたい。地元の方は手土産にもしてもらえればうれしい」と話している。

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