JA上伊那とJA上伊那生活部会は9月7日、健康寿命創造運動「食生活セミナー」を伊那市のJA本所で開いた。部会員ら約120人が参加。上田市のおうち料理研究家で食育インストラクターとしても活躍している王鷲美穂さん(47)を講師に、食の大切さや、食育への取り組み方を学んだ。
セミナーはJA長野県グループが取り組む健康寿命創造運動の一環。JAと同部会では食生活改善の普及啓発活動を実践推進することを目的に2013年から開いている。
王鷲さんは「おうちでできる楽しい食育 ~次の世代に伝えたい食事のはなし~」と題して講演。子どもの付き添い入院の時に空腹を満たすだけの食事をしていたことで、食の大切さに気がついたと話し「食は心も育てる」と伝えた。また、自分の子どもたちにも食の大切さを感じてもらいたいと、より良い食材を選ぶための「選食力」、食事マナーや食事の楽しさを知ってもらうための「共食力」、未来につなげていくための「環境を考える」の食育の3本柱を取り入れていることを紹介。日々の生活の中で一緒に食材を買いに行き、料理を作り、食事をすることが、自然と食育につながっていると伝えた。
また、より体にやさしい調味料の見極め方や、こうじや酒粕などを調味料とする代用方法、野菜を皮ごと使うことで栄養価が高まり野菜のダシで調味料を減らすことなどを推奨し、簡単に作れる塩こうじを使った鶏ハムや、甘酒わらび餅の作り方を紹介した。
王鷲さんは「目指すは笑顔の連鎖。おいしく食べて、地産地消で、環境にやさしい、笑顔のある地域内循環で、家族も農家も笑顔にしたい。いつまでも健康な体と心のために、食育の三本柱を取り入れてみてほしい」と話した。
山岸眞由美部会長は「身近な内容を話してもらえて、各家庭でも真似しやすいと思う。部会活動でも料理教室に取り入れるなど、今後の活動につなげていきたい」と話した。