JAみなみ信州は10日、大阪府大阪市の大阪市中央卸売市場本場と東京都大田区の東京都中央卸売市場太田市場で南信州生まれの赤梨「南水」のトップセールを行った。6日からいよいよ南水の出荷が始まり、大阪では同JAの寺沢寿男組合長と同JAなし部会の久保田章副部会長、全農長野職員、同JA職員の5人が法被を着て並び、およそ200人の仲卸業者や買参人を前に今年の南水をPRした。
くだもののトップシーズンを迎え桃、梨、りんご、ぶどうなど多くの果実が全国各地から集まる活気ある市場の中、寺沢組合長は「産地では生産者が大変苦労しながらも丹精込め、食味の良い、外観も美しい南水をつくっています。南信州ではこれからも将来に渡っておいしい梨をつくり続けていきます。皆さまには消費者まで届く力強い販売をお願いします」とPRした。トップセールの後に用意した試食がすぐになくなるほど注目度が高く、仲卸業者らは今年の南水の味を確かめた。
仲卸業者(株)天果の髙松凖治専務取締役は「様々な品種がある中でも、南水にはファンが多くいる。生産量を維持しこれからも安定した品質と出荷に期待したい」と話した。
前日の9日には愛知県の名古屋青果(株)とセントライト青果(株)でそれぞれ同JA役職員、市場関係者、全農長野南信事業所、全農長野名古屋販売事務所が参加し南水の出荷推進会議を開いた。生産状況や販売対策、競合産地の情報を共有し意見交換を行った。また新品種「南農なし6号」の試食も行い食味を確認し、令和9年度の本格出荷を目指して産地と市場が協力していくことを確認した。
南水は数ある和梨の中でも平均糖度14度以上とトップクラスの甘さで、見た目の美しさにもこだわり有袋栽培により生産者が手間をかけ仕上げる南信州を代表するブランド梨。今年は開花が1週間ほど遅れたがその後生育の遅れを取り戻し出荷時期も昨年と同日となった。やや小ぶりであるもののその分糖度が高く、甘くおいしい南水に仕上がっている。来週から台湾へ向けた輸出もはじまり、来月5日頃まで関東、関西、中京、県内、九州と全国へ出荷する。