JAグリーン長野でリンゴ「シナノドルチェ」の出荷が9月10日から始まった。シナノドルチェは、早生種「シナノリップ」「サンつがる」から、主力品目の「秋映」へと「リンゴ売り場」をつなぐ中継役として振興されている。昨年度は着色期に昼夜の温度が高く、着色せずに熟期を迎えるなど非常に厳しい年で、今年度も昨年同様に温度は推移しているものの、9月に入り夜温が下がる日も増えてきたため、着色し始めている。昨年に比べ2日程度生育が遅れているなかで、収穫目安となる「地色の抜け」も進んでおり、熟しすぎた果実の落果を懸念。JAでは、熟度を優先した収穫によるロスの削減を呼び掛けている。
JAりんご部会では出荷を前に9月9日と12日に3会場で出荷講習会を開いた。長野市篠ノ井の西部青果物流通センター会場には、生産者26人が出席。営農技術員が、果面に日焼けが発生していることなど現状を踏まえて選果基準を説明。基準に合わせ生産者による一次選果の徹底を要請するとともに、熟期に応じて収穫を「数回」に分けて進めるよう呼び掛けた。生産者は「味は仕上がってきているので、収穫を始めたい」と話し、改めて講習内容を振り返っていた。
シナノドルチェは管内2カ所の流通センターで9月下旬まで選果をする予定。9,300ケース(1ケース=10kg)を計画し、関西、中京、地元、関東の重点取引市場に出荷する。