「クイーンルージュ®」出荷本格化 前年の64%増見込む

JAみなみ信州
収穫直前のクイーンルージュの仕上がりを確認する宮崎さん
収穫直前のクイーンルージュの仕上がりを確認する宮崎さん

JAみなみ信州では今年デビュー5年目となった「クイーンルージュ®」の出荷が本格化している。7月1日から施設産クイーンルージュの出荷が始まり、9月に入り露地栽培も出荷が始まった。同JAのクイーンルージュは年々生産量が増え、今年度は2,500ケース(1ケース5kg、前年度1,522ケース、前年比164%)の出荷を見込んでいる。同JAでは主力のナガノパープル、シャインマスカットと並ぶぶどうの主力品種として新植や改植を進めクイーンルージュの生産振興に取り組んでいる。
5日、飯田市座光寺の宮﨑千文さん(69)のお宅ではクイーンルージュの収穫作業を行った。名前にもあるルージュのような赤い色を出すために、宮崎さんのお宅では収穫直前に袋を外すことで色付きを進めている。りんご、梨、市田柿なども栽培する宮﨑さんは20年ほど前からぶどう栽培をはじめ、ピオーネ、シャインマスカットに続き6年前にクイーンルージュを2本植え、出荷は今年で2年目。ベテラン農家から手ほどきを受けながら熱心に栽培に励む宮崎さんは「果物は生き物。愛情を込めて育てている」と話し、「必要な作業をきちんとしてこまめに様子を見てきたので、今年は病気もなくしっかりと色が入って良い仕上がり」と笑顔を見せた。
同JA営農部によると今年は降雨が少なく糖度が十分に上がっており出荷基準が18度以上のところ20度を超すものも出ているという。粒張も良好で反射シートを活用するなどして色付きを進めている。9月中旬をピークに10月上旬まで県内、関東、関西方面の市場へ出荷する。
同JA営農部果実柿課ぶどうチーフの宮嶋天技術員は「クイーンルージュは色を出すことが難しいとされているが、生産者の皆さんは手間をかけ良いものをつくとうと努力してくれている。食べる人が感動するようなぶどうを届けていきたい」と話した。

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