JA佐久浅間で、稲発酵粗飼料(ホールクロップサイレージ=WCS)の刈り取り作業が進んでいる。耕畜連携による自給飼料の安定供給と米の生産調整の一環として、WCSの生産を振興している。
1日当たりの刈り取り面積は約1.5haから2haで作業は9月上旬まで続く見込みだ。
WCS用稲は、もみが完熟する前に収穫するので、主食用米より約1カ月早く刈り取る。もみと茎葉を同時に刈り取り細断する専用機械で行う。自動で巻き取った約300キロの飼料用稲に乳酸菌が注入され、ロールの状態で出てくる。その後、自走式の梱包(こんぽう)機でフィルムを巻いて密封し、乳酸発酵させる。栄養価が高いことから畜産農家からも好評だ。
一昨年に腐敗し悪臭ロールが見つかったことから、ぬかるんだ圃場や根本近くでの、刈り取り作業をやめ、刈り取りの高さを地長15センチに設定し作業を行っている。
JA管内では、佐久市や立科町などで生産され、2024年度は49戸が約40haで、ロール約2600個を生産。酪農と肉用牛肥育農家29戸に年間を通して供給する。
JAは、15年に導入した稲子実発酵飼料(ソフトドレインサイレージ=SGS)と合わせて取り組みを強化し、耕畜連携による飼料の安定生産を進める方針だ。