JA上伊那や長野県農業農村支援センター、JA全農長野などは8月20日から22日にかけて、管内6会場で2024年産米の籾摺調製技術者講習会を開いた。自身で稲刈りや籾摺りを行う生産者が対象。20日、駒ヶ根市のアイパルで開いた講習会には生産者やJA職員など約70人が出席し、JAや同センターの担当職員が米穀情勢や適期収穫と乾燥調製技術などについて説明した。
24年産米は、育苗の時期から高温で経過してきたことにより生育は7日ほど早く進んでおり、JAではカントリーエレベーターの稼働を昨年より2日ほど早い9月4日に予定している。また、8月中旬ごろの夕方の降雨によるいもち病の発生が見られているため、対策を呼びかけている。
講習会では米穀情勢について、22年産米の在庫を多く抱えてスタートした昨年に比べ、23年産米は完売の見通しとなっており、インバウンド需要の増加や中・外食の消費増加により、今年は安定したスタートになると想定されている
適期収穫については同センターやJAから発表される収穫始期予測と合わせて、1穂に占める緑色の籾の割合で稲の成熟を表す「帯緑色籾歩合」で収穫開始時期を見極めてほしいと説明。収穫が遅れると胴割れ米や茶米の増加など品質・食味の低下につながるほか、今年は出穂から10日間の最高気温の平均が管内のほとんどで30度を超えており、胴割れ米が発生しやすい状況となっているため、適正な水管理と適期収穫を呼びかけた。
JA営農経済部南部営農センターの山本郁勇センター長は「育苗から現在まで高温対策など本当に感謝している。今後も品質を第一に異物混入等がないようお願いしたい」とあいさつした。