JA上伊那米穀部会酒米専門部と長野県酒造組合伊那支部は8月9日、圃場巡回と情報共有を行った。同専門部や酒造会社、JA職員など約30人が出席。生育スピードの違う圃場を巡回後、2024年度の水稲作柄概況や生育状況を確認、良い酒造りに向けて意見交換した。
今年度は4月の育苗時期から現在まで高い気温で推移し、7月15日時点の伊那米総合試験地ではすべての品種で草丈、茎数ともに平年を上回っており順調な生育となっている。また、出穂期も「美山錦」が7月20日と平年に比べ5日早く、「ひとごこち」が7月23日と4日早くなっている。
巡回では飯島町と伊那市西箕輪の圃場を巡回。温度差や標高の高さによって生育にどれほどの開きがあるのかや、病害虫の発生状況などを見比べた。
巡回後は伊那市のJA本所で懇談会が行われ、田植え日と標高から見る積算気温による収穫開始予測などを確認。今回巡回した飯島町では9月1日ころから、伊那市西箕輪では9月5日ころから収穫開始となるのではないかと予測した。
続く意見交換では生産者・酒造会社それぞれの立場から高品質な酒米・酒造りに向けて、近年の高温対策を踏まえた様々な意見や要望が出され、活発な意見交換となった。
同専門部の藤綱史樹専門部長は「収穫は現段階で9月はじめに始まる予定だか、今後の天候次第で変わる可能性がある。しっかりと圃場の生育を見て刈り遅れのないよう、収穫しよう」とあいさつした。