梨産地復興へ部会一丸 省力樹形栽培園地を視察

JAみなみ信州
北沢さんの説明を熱心に聞く参加者
北沢さんの説明を熱心に聞く参加者

JAみなみ信州なし部会は7月29日、各支部の役員7人が参加し、同JA管内の省力樹形栽培園地の巡回を行った。同JA管内では園地の老木化や生産者の高齢化が進み梨の生産量が年々減少しており、この状況の中で梨の生産量を増やすには早期成園化と作業の省力化を図る必要があるとして企画した。今後支部ごと生産者へつなぎ部会一丸となって産地振興に取り組む。
巡回では管内3箇所の園地を視察した。中でも松川町の北沢章さんの園地では園主の北沢さんが参加者を迎え園地を案内した。「V字ジョイント栽培」を導入する北沢さんの園地では、従来の平棚と違い株間1~1.5メートルで苗木を植え、低い位置で隣の苗木に誘引し接木する。結果枝をV字型に伸ばして着果させ植付け後2年で収穫を始めることができ、北沢さんの園地でも早期の成園化を実現した。作業しやすい仕立て方なので剪定などの労力を軽減することにもつながっているという。またロボット草刈り機の導入で作業の効率化も図っており、先進的な農業に参加者は熱心に見学した。
参加した同部みさと支部の壬生雅穂支部長(57)は「省力樹形栽培は直線的に仕立てるので誰でもわかりやすく、雇用者にも教えやすい。収益的にも有利で、梨産地再興に適した栽培法として興味深い。同じ産地の中で前向きに取り組む生産者の姿勢に勇気づけられ、梨栽培の可能性を改めて感じた。他の生産者にも知ってもらうよう今日のことをつなげたい」と話した。
JA管内は20年ほど前まで梨「二十世紀」を主力とする梨の一大産地だったが、現在では生産者の高齢化や老木化が進み梨の生産量は当時の3分の1以下となっている。産地として再興しさらに日本一の梨の産地を目指し「南信州日本なし産地再生プロジェクト」を中心に長野県、生産者、同JAなど農業関係団体が一丸となって産地振興に取り組んでいる。

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