JAみなみ信州ぶどう部会は1日、飯田市の同JA本所で同部会員、同JA役職員30人が参加し、同JAシャインマスカットとナガノパープルの最高品質商品「輝房®」の出荷規格目揃い会を初めて開いた。「輝房」の出荷開始から今年で5年目となり市場での認知度も徐々に上がってきており、輸出を含め産地指名で出荷の要請も入るようになってきた。出荷基準をより明確にし部会全体で輝房の出荷を目指すことで、さらなる産地全体の栽培技術向上と生産者の手取り向上に取り組む。
同部の宮下幸一部会長は「生産者それぞれが輝房を目指すことで産地全体の栽培技術が向上している。“選ばれる産地”となるよう、部会員が一丸となってより高品質なぶどう栽培に取り組んでいきましょう」とあいさつした。
同会では「輝房」の房重、粒数、粒重、糖度などの出荷基準を確認。さらに専用資材を使い同JA職員が荷造りを実践し、荷造り技術の統一を図った。生産者自らが荷造りまで行う「輝房」とあって、参加した生産者は真剣な面持ちで聞き、動画で残す人もいた。またシャインマスカットの競合産地の商品情報を共有し「選ばれる産地となるために全出荷者の品質・食味の安定が重要」であることを確認した。生産者からはブルームの程度の確認や出荷資材仕様への要望などがあった。また昨年最も多く輝房を出荷した飯田市三穂の荒井三千秋さん(69)の栽培事例を共有し、参加者は栽培方法や管理方法を真剣に聞き積極的に質問していた。
参加した瀧川睦さん(40)は「良いものをつくりたいと熱心な仲間がいるから苦労も乗り切ろうと楽しんで栽培できている。輝房はかなり難しい規格だが目標を持って頑張りたい」と話した。
また同部会では令和10年までに販売金額10億円を目指す「プロジェクトX(テン)」を掲げ産地振興に取り組んでいる。その中で「輝房ブランドを主軸にした県下品質評価NO.1産地を目指す」としており、生産者とJAが一丸となって産地づくりに取り組んでいく。