JA松本ハイランド花き部会共選部の手塚稔幸さんは7月3日、松本市立芝沢小学校3年生の社会科見学「農家の仕事」を受け入れた。身近な地域の仕事を児童に知ってもらうことを目的として行っており、今年で4年目となる。
同校の3年生児童71人が、クラスごとに手塚さんが管理しているカーネーションハウスを見学。手塚さんは「カーネーションの出荷数は長野県が全国1位で、70年前に長野県で初めて新村が生産し始めたもの。この機会に地元の特産品であるカーネーションについてぜひ知ってほしい」と伝えた後、「昼間の暑い時間は花も暑さで疲れてしまうので、切って更に弱らせてしまわないように、作業は早朝に行っている」「みんなに個性があるように花にも個性があり、種類によって花びらの形や咲く時期、必要な水の量が異なってくる」など、分かりやすく例え話を交えながらカーネーション栽培について説明。実際に芽かきの作業を見学した。
その後設けられた質問の時間では、児童たちは積極的に手をあげ、「育てる上での苦労」や「綺麗に咲かせるための工夫」など元気よく質問をした。「どうしてカーネーション農家になろうと思ったのか」という質問に対して、手塚さんは「お父さんが始めた仕事を引き継いだ。大変だけど『手塚さんのカーネーションが欲しい』と言ってくれる声があるから続けている」と真剣に答えた。
見学後、生徒たちは手塚さんやほ場で働いている方からカーネーションを受け取り、「大きくてきれい」「とてもいいにおいがする」と喜びの声をあげた。
同校の安藤隆子教頭は「この活動を通して子どもたちが自分たちの住んでいる地域を知って、好きになるきっかけとなったら嬉しい」と願いを込めた。