JA信州諏訪の次世代リーダー育成研修「次世代プロジェクト」に参加している職員が2024年度、茅野市と諏訪市で「ノリウツギ」の栽培を始めた。ノリウツギはアジサイの仲間。管内では現在、市場出荷している生産者はいないため、職員自ら栽培・出荷モデルを確立し、新品目として提案したい考え。2025年度からの出荷を目標に、大切に株を育成している。
同研修は、持続可能な経営実現のための組織づくりと人づくりを目的に、2022年度から行っている。今回は、2023年度から参加しているグループ「管内での新品目栽培」のメンバーの管理部経理課の福田有希課長代理、同部総務課の瀧澤佑記係長、営農部営農企画課の土橋奈穂子係長が提案した。
メンバーは、花き市場の担当者から「諏訪地域が栽培適地で、市場需要もある品目」としておすすめされたことから栽培を決めた。ノリウツギは耐寒性・耐暑性があり、湿気がある田んぼでも栽培可能。販売単価も期待できるという。
茅野市のほ場は、広さ約2アールの遊休農地を借り受けたもの。7月上旬に、有機質肥料を施用して土壌改良。マルチを敷き、生長後を想定して広めの株間でノリウツギの品種の一つ「インディアンサマー」の苗16株を定植した。定植から6年後には高さ1.5メートル、幅2メートルほどに生長し、1株から毎年約100本収穫できるという。
また、諏訪市のJA本所花壇には、「リトルブロッサム」「コットンクリーム」など8品種のノリウツギを定植。それぞれの品種がどのように生長し、どんな色の花を咲かせるのか観察していく。また、来所した人にも眺めてもらい、活動をPRしていく。
7月29日、メンバー皆で茅野市のほ場を訪れ、草刈りやかん水、摘芯作業を行った。定植時から株が根付いて15センチほど伸びており、順調に生育していることも確かめ合った。今年は株を育成し、来年から栽培品種の増加、収穫、出荷方法を検討していく。
リーダーの福田課長代理は「株が大きくなるととても嬉しく、やりがいを感じる。遊休農地を活用し、できるだけ手間がかからず栽培できる品目としての提案を目指したい」と話している。