第75回下伊那子山羊市場開催 日本で唯一 伝統ある市場

JAみなみ信州
活気ある競りが行われた子山羊市場
活気ある競りが行われた子山羊市場

JAみなみ信州畜産協議会、同JA、JA全農長野県本部は4日、飯田市大瀬木の三尋石集畜場で第75回下伊那子山羊市場を開いた。同市場は血統書付きの日本ザーネン種の子山羊のみを扱う日本で唯一の市場。県内の他、九州や関東地方など日本全国から購買者が集まり、今年の春に生まれた32頭の子山羊(雄6頭・雌26頭)が競りにかけられた。近年は家畜としてだけではなく、ペットや除草用としても注目されている。
競りは千円単位で価格が上っていく方式で、16人と3団体が購買者として参加した。参加者は目当ての山羊を競り合い、札を掲げた。この日は、下伊那郡豊丘村の久保田勝さんが飼育した雌山羊が最高額で落札された。久保田さんは「子どものように育ててきたのでさみしいが、良い評価をいただきありがたい」と喜んだ。落札した千葉県野田市の田村章さん(71)は「最初から競り落とすと決めていた。体格が良く骨がしっかりしていた。ペットとして飼育する」と話した。雄の平均価格(税込)は68,200円で、最高価格は89,100円。雌の平均価格は65,958円で最高額は110,000円、全頭平均では66,378円。
競りに先立ち行われた共進会では、飯田家畜保健衛生所や(公社)畜産技術協会の役職員らが審査員を務め、出品された子山羊の体格や毛並みなどを評価。飯田市の一英明さんが出品した雄山羊が最高賞の県知事賞に選ばれた。一さんの妻あゆ子さん(52)は「体格が良くエサをしっかり食べる子。栄誉ある賞をいただきうれしい。今後もより良い山羊を育てられるよう努力していく」と話した。
同JA営農部畜産課の仲平信二課長補佐は「32頭全てが落札され安心した。この地域の山羊飼育文化と、伝統ある市場を絶やさないよう生産者とともに頑張っていきたい」と話した。

共進会の入賞者は次の通り
▽県知事賞=一英明さん(飯田市)◇雌の部▽特別優秀賞=城田政治さん(阿南町)▽優秀賞=伊豆より夏さん(阿南町)▽優良賞=一英明さん(飯田市)◇雄の部▽特別優秀賞=一英明さん(飯田市)▽優秀賞=福田渉さん(高森町)

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