下伊那郡高森町の株式会社丸恵の園地で9日、施設栽培のシャインマスカットの収穫が始まった。JAみなみ信州管内では今シーズン初めての収穫。この日は、副社長の河合蓮さん(26)ら4人が1房ずつ袋を外し、着色や房型を確認しながらおよそ100kgを収穫した。河合さんは「冬場から手をかけてきたぶどうが大きく育ち収穫の時期を迎えられた。今年も良く仕上がってくれた」と初収穫を喜び、「一房ずつ愛情を込めて育てたぶどうを皆さんに食べてもらいたいという思いで栽培している。今年もおいしいぶどうを届けられるよう、引き続きしっかり管理していく」と話した。(株)丸恵では施設と露地の合計2ヘクタールでシャインマスカットやナガノパープル、クイーンルージュ®を栽培している。
同JAでは10日からシャインマスカットの出荷を開始。同JA営農部によると、今年度のシャインマスカットの出荷を施設と露地合わせて34、500箱(1箱5kg・前年対比120%)とし、露地ものが始まる9月上旬から9月中旬をピークに10月中旬まで出荷していく。県内や関東、関西の市場をメインに、一部は台湾やマレーシア、香港、タイへも輸出していく。
同JAぶどう部会では“選ばれる産地”を目指し、雨よけ栽培の導入や、反射シート活用による品質向上・早期出荷に部会全体で取り組み、生産者全体の栽培技術や農家所得の向上を図り、高品質産地づくりに取り組んでいる。
同JA営農部販売課の伊藤謙三主任は「いよいよシャインマスカットの収穫が始まった。粒張りや房型、糖度も良く順調に進んでいる。生産経費の高止まりで厳しい状況が続いているが、生産者の努力に応えられるようしっかり販売していく」と意気込んだ。