水田地帯に願いのはやし歌響く 諏訪市で伝統民俗行事「稲虫祭」

JA信州諏訪
1番旗を持つ6年生を先頭に、隊列を組んで水田地帯を練り歩く子どもたち。はやし歌や太鼓、鐘の音が響き渡った
1番旗を持つ6年生を先頭に、隊列を組んで水田地帯を練り歩く子どもたち。はやし歌や太鼓、鐘の音が響き渡った

諏訪市豊田・湖南・中洲の各地域で7月7日、稲の害虫を追い払い豊作を願う「稲虫祭(除蝗祭)」が行われた。湖南の南真志野地区では、同地区の子どもたちやその家族ら約70人が参加。参加者は、清浄を意味する白い衣装や鉢巻き姿で地元の習焼神社を出発し、はやし歌を歌いながら早朝の水田地帯を練り歩いた。
同神社によると「稲虫祭」は、807(大同2)年の「古語拾遺」に記されている伝統民俗行事。かつては全国各地で行われていたが、現在まで受け継がれているのは大変珍しいという。子どもたちはこの日のために、虫のイラストなどで飾った竹の「旗」を手づくりした。6年生は1番旗・2番旗・3番旗といった長い旗、低学年は小さな旗を担う。また、はやし歌や太鼓・鐘の練習も重ねてきた。
当日は同神社での神事の後、子どもたちは旗を1人1本ずつ持ち、隊列を組んで「稲虫おーくりな(送りな)、諏訪湖におーくりな」と元気に歌いながら水田の脇道を歩いた。
神事で玉串を神前に捧げた矢崎越至くん(11)は「皆で大きな声で歌って、田んぼから虫がいなくなり、豊作の秋を迎えられればうれしい」と話した。

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