JAあづみ営農経済事業部販売開発課は安曇野市穂高で泊まれるカフェを運営する「KIIIYA cafe&hostel(=島友理奈代表)」と安曇野産の食材を使ったオリジナルドレッシングソースを共同開発した。第1弾としてサラダ用と肉用の2種類を製作。
お土産や親しい人への贈り物などに最適で、可愛らしい見た目にもこだわった逸品だ。22日から安曇野スイス村ハイジの里やKIIIYA(キーヤ)で販売を開始。2種類とも1本140ml入りで、800円(税込み)。
商品開発チーム「feel azumino(フィールアヅミノ)」を立ち上げ、その第1弾として、約1年間の試行錯誤を経て2種類のドレッシングを完成させた。
商品名はDRES(着飾る)SING(唄う)という単語を連ねた「DRES SING(ドレスシング)」。“ちょっと良いドレッシング”をコンセプトに、日々の料理を美しく飾り、鼻歌を歌いながらご機嫌な1日を過ごせるようにと想いが込められている。
開発は農産物の端境期の加工品販売や安曇野産農産物のPR強化に繋げたいと考えたJA側から提案した。キーヤとしても商品開発のノウハウはあったものの、原材料の調達に苦慮していたことから相互の思惑が合致して実現。企業とタイアップした商品開発は2017年の「りんご茶」以来で、ドレッシングの開発・販売は初めて。
開発したドレッシングは、さっぱりとした味付けが特徴で野菜はもちろん、カルパッチョや白身魚の付け合せにもできる「塩?と長ネギのドレッシング」と、ハンバーグなどの肉料理と相性が良く、リンゴの甘みと玉ねぎの食感を残すことで子供から大人まで楽しめる「こうじ甘酒のリンゴシャリアピンソース」を製作。
パッケージは、容器のビニールパウチにそれぞれのフレーバーから着想したドレスなどを着せ、高級感を演出。自立する形にしている。現状、リンゴと長ネギをイメージした2種類だが、これから商品数が増えるごとに新たな洋服を追加し、見た目も楽しめるよう工夫する。
製造は同市明科の安曇野あかしな農産物加工組合Ebeya(えべや)に委託し、ドレッシングの原材料となる塩?と甘酒は同組合が安曇野産米を使って作られている。
今後、季節の農産物や規格外品を使った商品開発、需要に応じた規格の見直しも検討する。
既にキーヤで提供するサラダなどには塩麹と長ネギのドレッシングを添えて提供しており、評判は上々だという。
島代表は「誰かに物を送りたいと思ったときに思い浮かべてもらえたら嬉しい。次のドレスはなんだろうと継続的に興味を持ち、贈った人ももらった人も思い出になるよう育てていきたい」と意気込んだ。
同課の塩原卓磨さん(31)は「新たな試みで難しさはあったが、安曇野産農産物や管内の魅力、JAの取り組みを知り、農業全般にも興味を持っていただけたら嬉しい」と話した。