JA上伊那や農業団体および関係機関などで構成する上伊那農政対策委員会は6月10日、第28回となる総会を伊那市のJA本所で開いた。委員約90人が出席。2023年度事業報告や24年度農政活動計画など全3議案が可決した。
23年度は「食料・農業・農村基本法」の見直しにあたり、「食料安全保障の強化」、「再生産に配慮した適正な価格形成」などが盛り込まれるよう要請運動を行った。また、相次ぐ自然災害への対応として、災害に強い農業を目指す取り組みに対する支援や地域限定で発生した災害への支援などを関係各所へ継続的に要請。ほかにも地元選出議員との農政懇談会の開催、JAなどが行う食農教育や花育事業の支援など、上伊那の農業・農村・景観を次世代に引き継ぐために取り組んだ。
24年度は農業の持つ多面的機能が国土保全に大きな役割を果たしていることや、中山間地である上伊那において多様な担い手が役割を果たし、農業・農村を守ることがいかに重要であるかと訴え、地域を支える農業者が基本法の中に位置づけられるよう農政運動を進めていく。
JA上伊那の専務で同委員会の下島芳幸副委員長は「農業は国民の食料を生産する大事な産業。ロシア・ウクライナ情勢や円安、異常気象、災害などといった大きな課題に向けて全員が協力し解決に向かっていくことで、より良い地域、農業をつくっていきたい」と話した。
総会後には学習会が開かれ、全国農業協同組合中央会農政部の杉山隆之部長が「食料・農業・農村基本法の見直しと全国の農政運動について」と題し講演した。