安曇野産新玉ねぎ出荷始まる 端境期出荷で高単価目指す

JAあづみ
玉ねぎを選果する選果員ら
玉ねぎを選果する選果員ら

JAあづみは12日、安曇野市豊科高家の玉ねぎ共同乾燥調製施設で玉ねぎを初出荷した。
玉ねぎは和・洋・中を問わず幅広く用いられる需要の高い常備野菜。同JA管内は販売金額・生産量ともに県下トップの産地。2024年は約47,748ケース(1ケース=20キロ)、販売金額は約8,600万円を計画している。
JA営農経済事業部農産課によると、2024年産の作柄は定植期の降雨や4月の少雨により小玉傾向ではあるが、地元市場からの引き合いは強く、消費者ニーズに応えた出荷を進める。
この日は、乾燥の終わった玉ねぎを選果レーンに載せ、切り残しの根や葉をハサミでカットしたり、小玉を取り除くなど1玉ずつ手作業でチェックした後、自動でS~2Lの4等級に分けられた玉ねぎを等級別に箱詰めし、130ケース(1ケース=20キロ)を県内や中京方面市場に出荷した。選果作業は北海道産が出回る前の7月末まで続く見込みだ。
同JA管内は古くから玉ねぎ栽培が盛んな地域だったが、重量野菜で乾燥調製に多くの労力が必要となる品目であり栽培面積は伸び悩んでいた。そこで17年3月、生産者の作業負担を減らし、栽培面積拡大やブランド力を高めるため同施設を竣工。葉や根の除去から乾燥、磨き、選別などの手間がかかる荷造りを一手に引き受ける施設で、一日最大800ケースの処理能力がある。これにより機械で定植から出荷までを行う「機械化一貫体系」の普及が進み、集中的な荷受けと乾燥期間の大幅な短縮など、端境期の単価が高い時期の出荷が可能となった。24年は大規模な栽培に取り組む農業生産法人や担い手農家などが約31ヘクタールで生産する。
営農経済事業部の佐原哲也次長は「高単価販売で農家手取りを向上させるため、他県産が出回る前に出荷を終えられるよう作業を進める」と意気込んだ。

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