JAあづみと同農政協議会は15日、安曇野市の安曇野スイス村サンモリッツで「第5回安曇野の農業を守り、つなぐ農業者のつどい」を開いた。農家組合(くみあい会)長や各部会代表、同協議会委員、JA役職員ら約200人が出席。5月下旬の審査会で選出した「55年目の発掘と褒賞“第2期”」の受賞者4名と推薦者4名を表彰。褒賞を通じて、地域農業の更なる振興を目指す。2020年の初開催から通算5回目。
主催者の宮澤清組合長は「この褒賞は、創立55周年の節目に企画し、実施してきた。組合員から好評を得た一方で、発掘すべき人材はまだまだ地域に多くいるという意見も出てきた。来年度の創立60周年まで第2期として継続し、地域の農業振興に繋げる」と挨拶した。
授与式では、審査委員長を務めた映画監督の河崎義祐さん(88)から「農業大賞」の株式会社かまくらや(=藤本孝介代表取締役社長)、「後継者大賞」の板花克文さん(43)と鶴見亮太さん(34)、「未来開拓賞」の山田太一さん(50)に表彰状と記念品が授与された。5月下旬に行った審査会で11人の候補者の中から各部門の受賞者を決めた。
「農業大賞」のかまくらやは異業種から参入後、15年で県内最大規模の農業法人にまで事業を拡大させるとともに地域の耕作放棄地の解消や雇用創出などへの取り組みが高く評価された。
「後継者大賞」の板花さんは、加工用トマトの反収増に向けた研究や増加する離農者の農地を一手に担い、地域農業の受け皿として精力的に活動している点が好評価を得た。鶴見さんは、JAの組織活動への積極的な参加による若手農家の牽引と地域農業を守るため、自ら率先して耕作品目の見聞を広め、農業経営している姿勢が審査員の目に留まった。
「未来開拓賞」の山田さんは、Iターン農家として地域の特産品の生産振興やPR活動のほか、6次化商品の開発などが他に類を見ないと好評だった。
受賞者による事例発表も行われ、農業大賞を受賞した同社の藤本社長は「安曇野の地の利を生かし、良質な農産物を安定供給できるようJAらと協力し取り組んでいきたい」と力を込めた。
また、農研機構の梅本雅さんやJA長野中央会営農農政部の横澤秀紀主任調査役による講演もあった。