農産物を守る 獣対策用電子柵設置実演会

JAみなみ信州
電気柵設置実演会
電気柵設置実演会

JA松川支所や松川町、長野県南信州農業農村支援センターでで構成する松川町農業技術者連絡協議会は5月15日、同町内の香山農園サクランボ園でサル用電気柵設置の講習会を開き、管内の果樹農家ら15人が参加した。近年同町内では果樹園や野菜畑でのサル被害が増え被害範囲も広がっており被害の削減、防止を図るため電気柵の設置方法などについて「長野式電気柵」の設置実演会を行った。被害に悩む参加者は設置方法などを真剣に聞き、導入検討に向け意見交換が行われた。
この日設置した「長野式電気柵」は、ネットを併用することで防除効果が高く、比較的手軽で安価に効果的な電気柵を張ることができる。同実演会では同支援センターと協和テクノ(株)が講師を務め、設置のポイントなどの説明のあと、サクランボのハウス回りに電気柵を実際に設置した。参加者は興味深く説明を聞き「鹿やイノシシなど他の獣への効果は」など質問し、様々な獣に対して効果があることを確認した。
会場となった香山農園では講習会後に電気柵を設置。数日のうちにサルがハウスに近づいたものの感電して逃げていく姿を目撃。ハウス周りに設置した定点カメラには鹿の姿が映っていたが被害はなく、被害防止への効果を実感しているという。同農園の市瀬猛さん(56)は「サルによる被害に7年前から悩まされ、農産物やハウスへの損害などかなりの被害に遭っていた。シーズン中には見張りをしていたほどだが、その必要もなくなり他の農作業に集中できている。費用面では補助もあり、効果に対して負担には感じていない。ぶどうの被害対策についても今後検討していきたい」と話した。
同JAでは管内の市町村と協力して鳥獣害による農作物被害対策に取り組んでおり、各市町村では被害防止対策講習会の開催や、鳥獣の侵入防止のための柵やネット設置の資材購入費の補助、同JAでも資材の供給などを支援するなどし、対策を呼び掛けている。

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