JA職員が「シルクスイート」の定植方法伝える 市と連携し特産品化へ一役

JA信州諏訪
伊藤所長代理(左)のアドバイスのもと「シルクイート」の定植を行う参加者
伊藤所長代理(左)のアドバイスのもと「シルクイート」の定植を行う参加者

岡谷市のJA信州諏訪すわこ営農センター田中線センターは6月1日、同市農業技術者連絡協議会の「シルクスイート体験事業」、同市の「シルクスイートオーナー事業」を支援した。同センターの伊藤哲也所長代理が、参加者計68人に同市で特産品化をめざすサツマイモ「シルクスイート」の定植方法を説明した。今後、参加者や市が栽培管理を行い10月初旬の収穫をめざす。
「シルクスイート」は、しっとり甘くて筋が少なく“シルクのような”なめらかな舌ざわりが特徴で、全国で人気の高い品種。同市が明治・大正時代に日本の製糸業の中心地で「シルクのまち・岡谷」と呼ばれていたことから2017年度、同協議会が普及を始め、特産品化を進めている。
「シルクスイート体験事業」は2021年から、市民を対象に毎年行っている。農業体験の場の提供、「シルクスイート」の更なる認知度の向上が目的。参加者はマルチ張りから体験し、定植後は自身で栽培管理を行う。
「シルクスイートオーナー事業」は2022年から、市外在住者を対象に毎年行っている。市での思い出を作ってもらい、定期的に足を運んでもらうきっかけづくりとしたい考えだ。定植後は市の担当者が栽培管理し、参加者にはSNS等で成長状況を伝える。収穫時には集まってもらう。
同センターは同協議会のメンバーであり、同市の市民農園で10年以上にわたり栽培指導にあたっていることから両事業を支援し、講師を務めている。
伊藤所長代理はこの日、参加者の前で定植を実演。まず、マルチを張った畝に斜めにイボ支柱を刺して穴を開ける。その穴に苗を植えて潅水し、葉焼けを防ぐためにわらを敷いた後、もう一度たっぷりと潅水した。
参加者は伊藤所長代理のアドバイスのもと、自身の畝に苗10本を定植。作業後は定植後の苗を眺めたり、写真撮影したりする姿があった。
「シルクスイートオーナー事業」に参加した神奈川県出身で伊那市在住の穂髙花菜子さん(25)は「昨年家族が参加してとても良かったと聞き、手伝いとして初めて来た。無事に成長して甘くておいしいサツマイモが食べられればうれしい」と期待を込めた。
伊藤所長代理は「多くの人に農業を身近に感じてもらえる貴重な取組み。地元JAとして『シルクスイート』の特産品化に貢献できればうれしい」と話した。

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