JA大北は5月24日、大町市のJA本所会館で第59回通常総代会を開催した。各地区の総代505人中470人が出席し、令和5年度の事業報告と令和6年度の事業計画を含む全5議案を審議し、全て原案通り承認した。
23年度は、全国的な高温干ばつの影響を受けながらも、水稲の生育を順調に進め、例年通りの良質な米の生産を実現した。多様な担い手が意欲を持って取り組めるよう、園芸品目ネギの栽培面積の拡大、生食用ブドウなど果樹類を中心にモデルほ場を活用した学習会の開催など、生産者の育成と高収益作物による産地化に取り組み、事業体制の確立を目指した。
24年度は、松川村のJA大北カントリーエレベーターに敷地内に建設された「バイオ炭生産プラント」を稼働させ、温室効果ガス削減と地域の環境に配慮した農業環境の整備に取り組む。この施設では、もみ殻を燻炭化し、土壌改良材として田畑に還元することで、循環型農業の推進と温室効果ガスの削減に貢献する予定だ。また、白馬アルプス農場で生産される堆肥の消臭剤としても利用される。
武井宏文組合長は、「不断の自己改革」を推し進め、「組合員・地域のために機能発揮できるよう、持続可能な経営基盤強化・確立に引き続き取り組む」と決意を新たにした。財務の健全化と安定した経営への取り組み、環境に配慮した農業への取り組みに注力していくと述べた。
また、総代会の席上で、優良組合員の表彰も行い、小谷村で地域に貢献している株式会社 小谷村百姓七人衆と、新規就農者で高収益作物のアスパラを生産する松川村の堀島貴広さんが表彰された。