畑で育てる陸(おか)ワサビ収穫期 収穫量30トンを見込む

JAあづみ
陸ワサビを収穫する丸山さん
陸ワサビを収穫する丸山さん

JAあづみ管内で地元のワサビ加工品メーカー(株)マル井(=安曇野市)と連携して栽培している陸(おか)ワサビが収穫期を迎えた。
今季は暖冬や3月の低温などで生育遅れがみられるという。収穫を焦らず、ワサビの茎が太くなってからの収穫を呼びかけている。2020年10月から3戸3アールで試験的に栽培が始まった。栽培面積は当初の約10倍の32アール、生産者は11戸に拡大している。
同市堀金の丸山啓吉さん(76)とアイコさん(78)夫婦は27日、2アールのビニールハウスで陸ワサビの収穫作業をした。
鎌を使って80センチほどの青々としたワサビを根元から刈り取った。土を払い、黄変や病気部の葉などを除去し、出荷コンテナに入れた。収穫したワサビは同社が全量買い取り、主に茎や根茎の部分は刺し身用の小袋やチューブタイプ製品の加工わさび原料へ、葉は菓子原料になるという。
栽培3年目という丸山さんは「比較的手が掛からず、自分たちのペースで作業が出来る。3月に咲く花も無駄なく出荷できる。全量買取りも安心要素で、夫婦でやるにはちょうどいい」と話した。収穫作業は6月下旬~7月上旬頃まで続き、収穫量は管内全体で昨年並みの約30トンを見込んでいる。
陸ワサビは湧き水などで育てる「水ワサビ」とは異なり、畑に植えて育てる。夏の高温期を避けて秋頃に苗を定植し、翌年5月中旬~7月上旬に収穫する超促成栽培。農閑期を中心に栽培できて栽培期間が短く、生産者の労力負担が少ない。寒さに強い特性から冬場もハウス内は加温しないため、栽培コストが抑えられるなどの利点もある。生産者の高齢化や異常気象の影響などで全国的にもワサビの生産量が減る中、陸ワサビの生産量の拡大は同社にとって地元産原料の安定調達につながる。
同社の松田洋介研究室長は「地域全体でブランド化に繋げていけるようにサポートをしていきたい」と意気込んだ。

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