JA信州諏訪の次世代リーダー育成研修「次世代プロジェクト」に参加した職員が5月21日、栽培から商品化を手掛けた商品「たかきび(赤ソルガム)」を完成させた。赤ソルガムの実を袋詰めしたもので、ご飯に混ぜて炊くとプチプチとした食感が味わえる。1袋300グラム入り960円(税込み)で、管内のA・コープ店や夢マーケット店の直売コーナーで販売する。
同研修は、持続可能な経営実現のための組織づくりと人づくりを目的に、2022年度から始めた。ソルガムの栽培は、管理部企画管理課の朝倉啓介課長代理、茅野中央支所の細川達則融資課長、管理部人事課の佐藤吉紀係長が提案。職員自ら栽培して販路を見出し、将来の産地化、担い手確保、地域の農業振興を目指す。
ソルガムはイネ科の1年生作物で、高温干ばつに強く、比較的手間をかけずに栽培できるため、遊休農地解消に期待できるとして着目。アレルギー物質を含まず、ポリフェノールやガンマアミノ酪酸(GABA=ギャバ)といった高機能性物質や食物繊維が豊富に含まれている。
職員3人は茅野市で約5アールの遊休農地を借り受け、2023年4月に有機質肥料を施用して土壌改良。5月下旬に播種し、雑草除去など栽培管理を行ってきた。10月下旬、収穫してはぜ掛け。その後、精米機で搗精し、赤ソルガムの実51キロができあがった。
「おしゃれで手づくり感のある商品に仕上げたい」と、パッケージ製作もこだわった。クラフトペーパー素材で、赤ソルガムの実が見えるよう窓付きの袋を選んだ。また、手書きで商品名やソルガムの穂、おにぎり、栽培ほ場から眺められる八ヶ岳を描いた。
裏面には商品表示のほか、おすすめの食べ方などを掲載。QRコードを読み込むと、栽培の経緯や職員の思い、ソルガムの魅力について知ることができる。今後は定期的に売り場を確認し、商品を補充していく。
24年度も引き続き栽培を行う。花き市場担当者の「ソルガムは花木としての需要もある」との話から収穫後箱詰めし、市場への出荷に挑戦する計画だ。
朝倉課長代理は「農産物を栽培し商品にするまでの苦労を知ることができたので、改めて日々地域農業振興を支えてくださる組合員の皆様に感謝し、今回の取組みが少しでも役立てばと思う。また、商品や栽培、収穫までの道のりを多くの方に広め、サラリーマンの方なども気軽に農業を始めてみたいと思ってもらえたら嬉しい」と話している。