JA信州諏訪営農部は2024度、生産者の協力のもと主要作物の作付け前のほ場で、緑肥作物「ヘアリーベッチ」のすき込みによる減肥への取組みを行っている。みどりの食料システム戦略に沿った取組みとして、今年で2年目。肥料価格高騰下での減肥に向け、期待がかかる。
原村のJA原村営農センターの伊藤侑哉主任は、同村でブロッコリーを栽培する平出一樹さん(34)の協力で同試験に取組んでいる。平出さんはこれまで、ブロッコリーの作付け前は病害対策としてライムギをすき込んでいたが、肥料価格高騰を受け、減肥への期待を込めて快く受け入れてくれた。
試験1年目は2022年10月、広さ15アールのほ場にヘアリーベッチを播種。2023年5月のすき込み当日、ヘアリーベッチ0.25平方メートル分を刈取った重量から窒素量7~8キロを土壌へ供給できると推定し施肥を行い、4割ほどの減肥につながったという。
試験2年目の今回は2023年10月中旬、同ほ場で播種。5月17日、最長60センチほどに育ったヘアリーベッチを、フレールモア(トラクターに取付けて使用する草刈機)で細断し、ロータリーで耕運した。2週間ほど腐熟させた後ブロッコリーを定植し、8月上旬から収穫を行う計画だ。
1年目と同様に刈取り、窒素成分の調査を行い今年の減肥量の目安にする。
平出さんは「ヘアリーベッチのすき込みは5割の減肥を目指せるという。今年は昨年よりも減肥できればうれしい。不具合がなければ来年以降もすき込みたい」と期待を寄せた。
伊藤主任は「昨年の試験ではすき込みの効果で減肥につながり、主要作物も問題なく収穫できた。肥料価格高騰下での生産者の一助になり得る取組みなので、今年もしっかり経過観察したい」と話した。