JAグリーン長野と長野農業農村支援センターは5月21日、ブドウ短梢栽培を取り上げる初心者向け「グリーンセミナー」を開講した。「シャインマスカット」「ナガノパープル」など種無し品種の生産振興をめざしたもので、今年で13年目。これから新たに栽培を始める人や既に栽培を行っている者18人が受講を希望した。
初回は、栽培に使う基礎用語、作業の流れや段取り、「芽かき」「誘引」「房切り」などの作業の意味や方法を、JA営農技術員と支援センター技術担当が講師となって2手に分かれ、実演を行いながら説明。受講生は熱心にメモを取り、時に質問を寄せながら学んでいた。4年前から栽培に携わるという受講生の女性は「作業の意味も分からずにやってきているので、基礎からちゃんと学びたいと思って受講した。技術を習得していずれ面積も拡大できるようになりたい」と意気込んだ。
講義を前に、開講式を開催。支援センター松崎良一所長は「省力化技術も普及し販売面でも期待されている。一方で、気象災害が起こると何年も手塩にかけた樹がダメになってしまうなど、ほかの作物に比べると気象災害には脆弱な品目であるなど、果樹栽培の光の部分と影の部分もご理解いただきながら、全国的にも果樹栽培が盛んな長野県で栽培を始められるという誇りを持っていただき、ぜひ出荷に繋げていただければ嬉しい」とあいさつ。石坂裕一JA営農販売部長は「ブドウは年々生産者が増えており、JAでも推進品目であるので、新たに基礎から学んでいただき、JAへのご出荷につなげていただきたい」と要請。講義場の園主萩原久光さんは、「13年目と多くの方が育っていただいているので、ぜひ頑張っていただきたい」と激励した。
講義は初回を含めて8回を2月下旬まで開講する予定。生育に合わせほ場での講義や座学で学びを深める。JAでは、部会への参加・参画も呼びかけ、産地力の向上を図る考え。