JA信州諏訪の組合員清水裕介さん(69)が、原村で「原村の山麓ブルーベリー農園」を初めて開園する。同村の気候に適した「北部ハイブッシュ」など40種類のブルーベリーを植樹したポットがずらりと並ぶ。2024年の営業は、6月20日から8月中旬を予定。多くの道のりを乗り越え、清水さんの「第2の人生」の夢が実現した。
清水さんは長年神奈川県横浜市に住んでおり、64歳で退職後、「第2の人生は健康を生かして農業にチャレンジしたい」と決意。同村が企画した移住イベントに参加し、自然の豊かさや、学生の頃から山登りが好きで、八ヶ岳に親しんでいたため、2020年秋に移住した。
横浜市の自宅の庭でポット栽培していた経験から、栽培品目はブルーベリーに決定。移住後すぐに、八ヶ岳の景観が良く、交通の便がよい場所を中心に農地を選んだ。遊休農地も多く、重機を使っての開拓は1年がかりだったという。
同村のブルーベリー農園で1年間研修し、営業や接客のノウハウを習得。また、先輩農家からの「冬の選定や花芽の調整、摘果をしっかり行うことで、大きくておいしいブルーベリーができる」というアドバイスに感銘を受け、丁寧な作業を心掛ける。JAの組合員にも加入し、農機をレンタル・購入。JAファーム店に通って資材を集めるなど多くの事業を活用している。「多くの方に一から教えてもらい、『頑張れ』と励ましてもらったからこそ今がある。感謝の気持ちでいっぱいです(清水さん)」と振り返る。
栽培管理は、妻の安子さん、長男・次男の家族4人で協力して行う。今年は、第1・第2・第3農園計310ポットを先行開園する計画。将来的には第8農園まで増やし、計1000ポット、ブルーベリー60種類を楽しめる農園をめざす。
安子さんは「開園にこぎ着けるまで大変な道のりだったと思う。助けていただいた多くの皆様に感謝している。これからも支え合いながら、楽しく充実した生活を送りたい」と話す。
清水さんは「信州の自然、おいしい空気と水を満喫できる場所で育ったブルーベリーをぜひ食べてほしい」と呼びかけている。