JAグリーン長野営農販売部は2024年度、JA全農長野と連携し「ザルビオフィールドマネージャー(BASFジャパン(株))」の活用による「可変施肥試験」を始めた。水稲作業の「効率化」「省力化」と営農指導における活用をめざしたもの。JA全農長野の企画で実現。「ザルビオ」を使用し田植えや追肥時に可変施肥を行って生育や収量への効果を確認。あわせて、ザルビオによる生育予測や病害虫予察と実態を照合し、今後の活用方法・方針を探る。
モニターほ場として、ザルビオに興味を持っていた同JA穀物部会役員で役員丸山孝人さん(長野市信更町)の協力を得て、8枚約160アールを設定。ザルビオのデータの蓄積によって示された同ほ場の「地力マップ」から現状を確認。地力別に5段階に分け、地力の高い(1~2ゾーン)ところでは慣行量を入れ、地力が標準からやや低いところ(3~5ゾーン)では慣行+5%程度と、施肥(窒素量)を調整する基肥基準窒素量を設計した。水田8枚を3試験区と対照区に分け、(1)基肥と追肥を可変するもの (2)基肥を可変し、追肥を定量とするもの (3)基肥を定量とし、追肥を可変するもの、対象区では慣行とするもの(いずれも可変しない)として、施肥を行う。
田植えにおける可変施肥試験を5月20日に開催。長野県農政部、県農業試験場、長野農業農村支援センター、ヤンマーアグリジャパン(株)など関係者が参加した。ヤンマー社製のザルビオ連携の8条植え田植機を使い、同者担当と丸山さんの息子貴之さんが機械を操作して田植えを進めた。丸山孝人さんは「水田の真ん中(部分の収量)がとれていなかったのが課題だった」と話し、期待を寄せる。JA営農技術員も「結果に応じて、指導に組み込めるようになれば良い」という。JA全農長野佐藤晃一生産振興課長代理は「この試験により、ザルビオを活用することで、生産者さんの作業の省力化や効率化、延いては反収の増収やコストの削減につなげていきたい」と話している。
試験では、7月にドローンによる可変施肥(追肥)と収穫時の収量センサー付きコンバインによる収穫により結果を分析する予定だ。