中日農業賞受賞報告 農業で地域を幸せに

JA上伊那
受賞した富永さん(右)と西村組合長
受賞した富永さん(右)と西村組合長

中川村の信州くだもの村富永農園株式会社で代表取締役を務める富永創治さん(40)が中日新聞社主催の第83回中日農業賞で最高位の農林水産大臣賞を受賞した。5月1日、伊那市のJA上伊那の本所を訪れ西村篝組合長と下島芳幸専務に喜びを報告した。
中日農業賞は、先進的な経営理念で地域社会に積極的な役割を果たしている若手農業者らを顕彰し、未来のリーダー育成を図ることを目的としている。
今回選ばれた富永さんの富永農園(株)では、リンゴを始め、柿(市田柿)や、モモ、サクランボ、ブドウ、ブルーベリー、水稲(コシヒカリ・酒米)、甘藷(干し芋)といった多品目を栽培。農繁期に収穫や加工が重複しないよう、果樹中心の栽培や設備投資で通年作業できる体制を確保し、現在は家族のほか上伊那管内に住む従業員、外国の技能実習生や特定技能など16人が働いている。
富永さんは家族経営でリンゴ栽培の売り上げが収入のほとんどだった状態に限界を感じ、2008年に単身渡米。09年に帰国し、今の体制へと整備を進めた。整備を進めるにあたり、同JA担当指導員のほか、農業機械の修理や部品の供給、農業融資など同JAも協力。富永さんは「JAや地域の助けがあって今がある」と感謝を伝えた。
西村組合長は「農業人口が減少している中で、富永さんのような若手生産者が活躍しているのは嬉しい限り。若手の力で上伊那の地を支えていってほしい」と激励した。富永さんは「家族、従業員、地域のおかげでいただけた賞。今後も農業で地域が幸せになれるように精進していきたい」と展望を話す。

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