広島産レモン初選果 供給中継基地の役割担う

JAあづみ
丁寧に傷の有無を確認し選果機にレモンを流す選果員ら
丁寧に傷の有無を確認し選果機にレモンを流す選果員ら

JAあづみは、広島県呉市のJA広島ゆたかと業務提携し、安曇野市三郷小倉の大型冷蔵庫で4月中旬から貯蔵していた広島県産レモンを13日、初選果した。
安曇野産果実がない6月下旬頃まで貯蔵し、国産レモンが品薄となる夏場に首都圏や中京方面などの大消費地に供給する「中継基地」としての役割を担い、JA広島ゆたかの販売増加や生産者の所得向上に貢献している。
広島産のレモンを受け入れるのは11年目。冷蔵施設の有効活用を考えていたJAあづみと夏場の貯蔵・出荷に課題のあったJA広島ゆたかの双方のニーズが合致し、レモンの貯蔵について業務提携。2023年産は夏場の猛暑や少雨による干ばつなどの影響で小玉傾向。さらに23年10月下旬の降雹により数量減少と厳しい気象状況により下位等級を含めて70トンほどを貯蔵・出荷する見通しだ。
初日は、約20人の選果員が500キロほどを選果。選果前には目ぞろい会を開き、傷んだレモンの見分け方や規格外品の見分け方などを説明。レモンを一つずつ手作業で傷の有無を確かめ、3L~SSの6階級に選別した。
前年同様、20トンほどを鮮度維持特殊フィルム「P-プラス」に個包装する。通年出荷を目指し、2006年に開発。JA広島ゆたかによると、袋詰めされたレモンは末端小売価格1個200円~250円ほどの高値で取引されることもあり、生産者の所得向上に一役買っているという。個包装することで、レモンの呼吸作用をコントロールして鮮度を保つことができる。低温で貯蔵し、国産レモンの端境期となる夏場の出荷が可能となった。夏場の国産レモンが不足する時期に出荷できるため、市場からの評価は高く高単価での販売を実現した。
出荷までの間、再び貯蔵し、6台の大型加湿器で気温7℃、湿度90%を目安に品質管理する。出荷作業は6月下旬まで続く予定。
JA広島ゆたか業務部営農販売課森岡幸雄課長は「施設貸与などのおかげで農家の所得増大に繋がっている。作柄にもよるが200トンはお預けしたいと思っている。安心・安全な国産レモンをより多くの消費者に届けたい」と意気込んだ。
JAあづみ果実中央選果所の福岡直樹センター長は「レモンの貯蔵と選果により施設の稼働率が上がり、地元の雇用創出にもつながっているので大変ありがたい」と話した。

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