一房ずつ丁寧に収穫 桜の出荷始まる

JAみなみ信州
生産者が持ち込んだコンテナいっぱいの桜
生産者が持ち込んだコンテナいっぱいの桜

JAみなみ信州管内では和菓子や桜茶、土産物などに使う八重桜「関山」の出荷が最盛期を迎えている。南信州産は色付きが良いと評価が高く、コロナ禍で落ち込んだ販売環境が回復し加工業者からの引き合いも強まっている。同JA管内ではおよそ60人の生産者が開花時期だけの短期集中で一房ずつ手作業で摘み取る。今年度は昨年を上回る3,600kg(前年比約103%)の集荷を見込んでいる。収穫作業は5月上旬まで続く。
「関山」はピンク色が濃く花弁が落ちにくい品種で、一房に5輪ほどの花がつきそのうちの2輪が咲く頃合いを見て収穫する。同地区での栽培は昭和50年代後半から始まり、6年前までは集荷した桜を同事業所内で塩漬け作業まで行っていた歴史を持つ。現在は地元や県外の加工業者に出荷し、主には食用に塩漬け加工され春の和菓子や土産品、桜の香り付け用に化粧品などにも出荷している。
同JAでは松川町の生田地区を中心に収穫が行われ、同町の同JA生田事業所で集荷作業を行っている。19日には9人の生産者から約130kgの桜の花を受け入れた。今年は開花時期が遅れたものの、凍霜害の影響はなく順調に収穫作業が進んでいる。
同JA松川支所の坂巻勲課長は「今年は昨年より開花が遅く、収穫時期が集中してしまうのではないかと心配しているが、生産者の皆さんは規格に合わせ丁寧な作業を行ってくれている。最後まで収穫を呼び掛け1kgでも多くの桜を集めたい」と話した。

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