梨の開葯作業 花粉を自給

JA上伊那
専用のトレーに葯を広げる生産者
専用のトレーに葯を広げる生産者

JA上伊那果樹部会は各地区の梨の開花状況に合わせて、管内6ヵ所に開葯所を開設した。同部会員が開花直前の花を持ち込み、交配用の花粉を採取する。上伊那では梨とリンゴの開葯作業に合わせ、4月下旬ごろまでの開設を予定している。
今年は3月下旬の気温が低かったことで、生育が早かった昨年に比べ7日ほど遅い生育状況。4月に入り気温が一気に上昇したことで、梨の受粉樹の開花も一気に進んだ。
昨年までは交配に使用する花粉の2~3割を中国産花粉が占めていたが、今年は輸入停止を受けて部会員が自家採取している。また、管内では花粉に余裕がある生産者と確保が難しい生産者が情報を共有することで、今年の花粉確保につなげている。
開葯作業では、花蕾を葯採取機にかけて花弁を取り除いたあと、ふるいや葯落とし機で葯だけを取り除く。仕分けた葯は専用のトレーに均等になるよう薄く広げ、作業員が管理する開葯機に入れて、2日間ほどかけて開葯させる。
4月15日、箕輪町のJA上伊那果実選果場内に開設した開葯所は25人が利用。同町でリンゴや梨などを栽培している生産者は「毎年、中国産花粉も使っていたが今年は自家採取だけで栽培する。気温が高くなったことで花が一気に咲いたが、この時期が重要な時期なので遅れないよう気をつけたい」と話した。

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