水稲播種作業が始まる 温湯消毒で環境に優しく安全安心

JA上伊那
播種後の育苗箱を出芽室へ運ぶ作業員(長野県箕輪町で)
播種後の育苗箱を出芽室へ運ぶ作業員(長野県箕輪町で)

JA上伊那の主力品目の一つ、水稲の播種作業が始まった。JAの水稲育苗センターは北部と南部に各1カ所あり、今年は育苗箱計26万枚分を播種する予定。農薬を使わずに温湯消毒した種もみで、安全安心、高品質、良食味の「かみいな米」の生産に取り組む。
同JA米穀部会では「安全安心、高品質、日本一の米産地」を目標に、今年は生産量1万5300トン、販売高33億4000万円を目指す。昨年は管内2カ所にカントリーエレベーターが新設・増強されたことで、これまで以上に適期の収穫や出荷が可能となった。
温湯消毒は種もみを60度の湯に10分間つけ、冷水で3分間冷やす作業。ばか苗病や苗いもち、苗立枯細菌病の防除効果が期待できる。農薬を使わないため、環境にも優しい種子消毒の方法だ。
箕輪町の北部育苗センターでは、4月9日から播種作業が始まった。この日は20人が「コシヒカリ」を育苗箱4780枚に播種。育苗箱に専用マットを敷き、機械で種もみをまいた後、土を均等にかぶせて出芽室へ運んだ。今年は29日までに「コシヒカリ」を中心に、「モリモリモチ」や「あきたこまち」合わせて約8万9000枚の播種を予定している。生産者の注文に合わせて、出芽室で3日間管理した「出芽苗」、出芽室や育苗ハウスで21日間管理した「硬化苗」として、12日から生産者へ配布されている。
同育苗センターの片桐英俊場長は「病気を防ぐために作業一つひとつに気を使っている。品質の良い苗を生産者に届けられるように作業を進めていきたい」と意気込んだ。
同JAでは近年の気温上昇による白未熟粒や胴割れ米の対策として、5月中旬から下旬の田植えを呼びかける。

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