ブルーベリー接ぎ木講習会 品質や収量の安定のため

JA上伊那
実演を見て手順を確認する生産者
実演を見て手順を確認する生産者

JA上伊那営農経済部は4月8日と4月10日の2日間、各地区の園地でブルーベリー接ぎ木講習会を開いた。優良系統品種へ更新することで、上伊那全体の品質及び収量を安定させることが目的。10日、飯島町内の園地で開かれた講習会には生産者11人が参加し、同JA担当指導員が説明・実演した。
管内のブルーベリー栽培は20年ほど前から生産者が増え、現在は約90戸の生産者が約29tを出荷している(2023年)。導入当初は早生から晩生まで多品種にわたる品種構成だったが、品質が安定しない品種もあった。現在は市場が好む早生品種で大玉な品種「デューク」を中心に品種を絞って栽培を行うよう更新を図っている。
今年は1月から2月の暖冬の影響で生育が前進傾向だったが、3月に入り低温や平均より多い降雨の影響により発芽は3月18日と前年より9日遅くなった。4月に入っても気温の上昇はあるものの急激な前進は見られず、前年は4月10日に開花が確認されたが、今年の10日時点ではつぼみの状態。凍霜害については影響なく順調な栽培となっている。
講習会では担当指導員が手順を説明しながら実演。接ぎ木した品種の活着後は、接いだ箇所から下の芽を取り除くことで新しい品種に栄養が行き届くことを指導した。
担当指導員は「穂木の削りや台木に切り込みを入れる際の刃の入れ方、接着面を縛る際のテープの巻き方などは活着に大きく関わるため、特に注意して行ってほしい」と呼びかけた。
同JAでは優良系統品種の中でもデュークを始めとした大粒の基幹3品種を「密のつぶ」としてブランド化して販売している。また、同JA直売所では収穫時にどうしても発生してしまう過熟したブルーベリーを集めた加工用も人気。今年は出荷量30t、販売金額6000万円を目指す。

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