地域の未来を描く 現状を手作りのジオラマで再現

JAみなみ信州
手作りのジオラマで地域の未来を語る北島さん(左)と大沢さん(右)
手作りのジオラマで地域の未来を語る北島さん(左)と大沢さん(右)

松川町大沢地区の農家などで構成する「あぐり支援大沢ゆめ農隊」は地域ごとに農地利用の将来像を描く「地域計画」の具体的な取り組みを進めている。その中でも特徴的なのが「地域の現状を知り、皆で未来を考えるきっかけになれば」と同隊員で同町の農業委員も務める大沢政弘さん(67)が同地区の現在を再現した手作りのジオラマ。同地区集会所に設置し住民の集まりの際にジオラマを囲み地域の未来について語り合っている。
ジオラマを作成するにあたり大沢さんは自ら地域を歩き耕作品目など現状を調査。つまようじやストローなど身近な材料を使って住宅や果樹地帯などを色分けし一目で分かるような工夫がつまっている。地形や傾斜など細部まで再現され「ソリすべりをした」「熊がでた」など大沢さんの幼い頃からの思い出も盛り込み遊び心も満載。「この地域で皆が幸せに暮らせる住みやすい地域づくりを目指している。まずは地域の現状を知ってもらい農業の在り方、自然環境も含め土地利用計画を皆で考え、このジオラマに未来の大沢地区を上書きしていきたい」と語る。
同地区では定期的に集会所を「南部カフェ」として開放し、住民が自由に出入りし交流を楽しむなど集い話し合う機会が多くある。同隊代表で活動を支える北島正隆さん(72)は「この地域は昔から結集力が強く、まとまりがあり祭りや行事なども自分たちでつくり行ってきた」と話し、「果樹栽培を中心とした人と人のあたたかなつながりがこの地域には今もしっかりとある。こうしたつながりを未来に残していきたい」と話した。
同地区では「人・農地プラン」の策定を行い、21年には農地の継続利用を支援しこの地域での農業を持続させていくため同隊を結成。同地区で農地を借りた方、就農を希望する果樹研修生との懇談などを実施してきた。「人・農地プラン」が「地域計画」に改められたことから作成したプランを元にジオラマを作成。地域での話し合いを継続し不定期で住民に向け発行する「ゆめ農だより」で住民に意向調査への協力も呼びかけている。最適土地利用総合対策事業も活用し25年度は土地利用構想を策定、今後取り組み実施に向け取り組んでいく。

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