市田柿販売金額26億円突破 今後30億円を目指す

JAみなみ信州
コンクール受賞者の皆さん
コンクール受賞者の皆さん

JAみなみ信州柿部会と同JAは12日、飯田市の同JA本所で2023年度市田柿生産販売反省会を開いた。23年度の販売金額は26億5,200万円と目標とした26億円を上回り、今後はさらなるブランド構築のために生産基盤の維持拡大を図り生産量1,250トン、販売金額30億円を目指すことを確認した。同部会員、同JA役職員、長野県農業農村支援センター、長野県南信試験場、全農長野、市場関係者4社、輸送業者ら60人が参加し、23年度の生産加工経過・課題、販売取扱実績を報告、市場から産地への提言を受け来年度に向けた取り組みを共有した。
同部の原田健夫部会長は「厳しい栽培加工環境の中、生産者の努力により高品質な市田柿が生産されている。より一層加工技術の向上を図り、産地発展のため関係者一丸となって取り組みましょう」とあいさつした。
今年度は春先の強風や高温干ばつにより原料柿は減収傾向となったが、秋の急激な気温低下により着色が一気に進んだことから平年並みの収穫開始となった。高温の中進んだ加工作業中にも同JAでは渋みや過乾燥への対策を早めに呼びかけるなどし、全体として甘く高品質な市田柿に仕上がった。販売面では全国的に早めの売り場づくりができ、11月の出荷は前年比163%、年内出荷比率61%と年末年始にかけて市田柿の売り場スペースを十分確保することができた。今シーズンは2月10日受入分よりこれまで3月だった賞味期限を4月に設定し販売期間を延長。また全国各地の65店舗で試食宣伝を行うなど消費に繋げる販売に努めた。市田柿最高品質「匠の頂R」グループ販売では昨年を上回る数量の荷受けができ、レギュラー品との差別販売に取り組んだ。
市場担当者は「消費者の市田柿に対する期待も高まり、高位平準化がより一層求められる。難しい気象条件の中ではあるが生産者の生産加工技術を高め、さらなるブランド化に期待する」と産地への要望を話した。
同反省会では第3回市田柿品質コンクールの表彰式を行い5人を表彰し新たな「匠の頂R」の認定生産者を選出。受賞者は「これまで市田柿の産地を築いてきた先輩方、指導いただく皆さま、関係者の皆さま、家族の支えがあっての受賞と心から感謝する。今後もこの名誉に恥じない品質の生産に励みたい」と喜びを語った。

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